触れもせで
来ぬ君に
昼も夜も
来ぬ人を
ささがにの
爪をからめ
雨に打たれ
ぬばたまの
後朝の
今ぞ知る
起きもゐぬ
ふる恋は
つきものの
ひとり寝を
人を待つ
つれもなき
我が恋は
契りきな
夢をくだく
なつかしき
匂ひたつ
冬空の